レザーの種類について
皆さんはレザーに関して、どれくらいの知識があるでしょうか?
革製品にこだわりがある方は、レザーについて詳しい場合もあるかもしれませんね。
レザーにはとてもたくさんの種類があります。
またレザーの種類だけではなく、仕上げにも種類があり、仕上げによって全く違った表情の革製品になります。
レザーというのは、とても奥深いものです。
そんなレザーの魅力をもっと知っていただきたいと思いますので、この記事ではレザーの種類について書いていきたいと思います。
皮と革は漢字が違うだけで同じもの?
「かわ」を表す漢字は2種類あります。
皮と革、これはどちらも同じ意味なのでしょうか?
いいえ、実は全く違います。
剥ぎ取ったばかりの生のかわを「皮」
皮を鞣しという加工をして製品に使える状態にしたものを「革」と言います。
生の皮は放っておくと腐ってしまいますので、鞣しという加工を施さなければいけません。
鞣しを行うことで、皆さんが普段使用している革製品に使われているレザーになるのです。
なので「皮」は生もの、「革」は加工されたもの、と覚えておきましょう。
鞣しという工程について
鞣しについてさらに詳しく書いていきますね。
鞣しは(なめし)と読みます。
先ほども書いたように、鞣し前の皮の状態は、放置しておくと腐ってしまいます。
また乾燥をするととても硬くなってしまい、柔軟性がなくなります。
このような腐敗や乾燥を防ぐために、樹液や薬品を使って加工することが「鞣し」です。
鞣しという加工は古代から行われていました。
昔は動物の油や草木の汁を使ったり、煙でいぶしたりして、皮の腐敗や乾燥を防いでいたのです。
草木の汁を使った方法が、現在の鞣しの方法にも繋がっており、科学の進歩などによってより短時間で鞣しを行えるようになりました。
これを「タンニン鞣し」と言います。
タンニンを含んでいる植物エキスを使って行う鞣しです。
タンニン鞣しを施した革は伸縮性に劣り、ハリとコシがあり、少し硬めの丈夫な革になります。
なので靴や靴底などに使うのが適していると言われています。
一方で、タンニン鞣しと正反対の「クローム鞣し」があります。
硫酸クロムを使って行う鞣しです。
クローム鞣しを施した革は、柔軟性があり、軽くてしなやかで、耐水性にも優れています。
幅広い用途で使われているため、鞣しの中では1番ポピュラーなものとなっています。
タンニン鞣しとクローム鞣しを組み合させて行う、「混合鞣し(コンビネーション鞣し)」というものもあります。
タンニン鞣しの長所とクローム鞣しの長所を兼ね備えることができる鞣しです。
ですがメーカーの技術によってクオリティの高さは変わってきます。
レザーの種類
続いてはレザーの種類について書いていきます。
▼牛革(カウレザー)
牛の皮を使用したレザーです。
薄くてキメの細かい「カーフスキン」
最高級の牛革「ベビーカーフ」
美しく、適度な強度がある「キップスキン」
薄くて柔らかさのある「カウハイド」
一般的な牛革「ステアハイド」
厚さがあり耐久性に優れている「ブルハイド」
などの種類があります。
▼バッファローハイド
水牛の皮を使用したレザーです。
柔らかいため、加工がしやすい革です。
耐久性にも優れており、水にも強いです。
▼豚革(ピッグスキン)
豚の皮を使用したレザーです。
スウェード加工され、人気のある「ピッグスエード」
なめらかな肌触りと光沢が特徴の「アメ豚」
などの種類があります。
▼馬革(ホースハイド)
馬の皮を使用したレザーです。
光沢がある高級品「コードバン」
などの種類があります。
▼ヤギ革(ゴートスキン)
ヤギの皮を使用したレザーです。
耐久性に優れており、傷や水、湿気などに強い革です。
野球で使うグローブなど、耐久性が求められる製品に使用されています。
▼ひつじ革(シープスキン)
ひつじの皮を使用したレザーです。
柔らかいですが、薄くて強度が弱いです。
ですが防寒に優れています。
▼シカ革(ディアスキン)
シカの皮を使用したレザーです。
通気性がよく、なめらかな触り心地が特徴です。
▼ダチョウ(オーストリッチ)
ダチョウの皮を使用したレザーです。
ポツポツとしたドットのようなデザインが特徴的な高級レザーです。
▼ヘビ革(パイソン)
ヘビの皮を使用したレザーです。
特徴的な鱗模様がオシャレなレザーです。
▼リザード革
トカゲの皮を使用したレザーです。
キメが細かく、美しい鱗模様が特徴です。
薄くて軽いうえに、傷や擦れに強い丈夫な革です。
▼ワニ革
ワニの皮を使用したレザーです。
強度に優れている高級レザーです。
革の仕上げにも種類があります
革の加工は鞣しだけではありません。
仕上げによって、革の表情はガラッと変わってきます。
仕上げの加工にもいくつか種類があるので、詳しく紹介します。
▼オイルレザー
鞣しなどを行うときに革にオイルを含ませて仕上げます。
柔らかくてなめらかな肌触りになります。
▼ガラスレザー
合成塗料などを革の表面に塗ることで、ガラスのような光沢を出します。
耐水性に優れており、手入れをしなくともキレイな状態を保つことができます。
ただし通気性はないので蒸れやすいです。
▼エナメルレザー
ウレタン樹脂などを塗り、乾燥させ、この工程を繰り返すことで光沢を出します。
表面がツルンとしているので、水や汚れに強いです。
▼シュリンクレザー
薬品によって人工的なシボ加工を施す仕上げです。
柔らかさがあり、傷も目立ちにくくなります。
▼ブライドルレザー
美しい光沢が出るのが特徴です。
防水効果はありませんが、油分が含まれているため、水には強いです。
▼ヌメ革
タンニン鞣しを施しただけの、通常のレザー。
長く使い続けることで、経年変化が楽しめます。
▼銀付き革
皮の表面をそのまま使用しているため、革本来の表情が楽しめます。
▼スエード
革の裏面を起毛させてスエード加工をしたものです。
▼ヌバック
革の表面を起毛させてヌバック加工をしたものです。
スエードに比べると、ヌバックのほうがキメが細かく、繊細です。
▼型押し
プレスして革の表面に凹凸をつけて、模様を出す加工です。
さまざまな革の表情を楽しみましょう
革の種類や鞣しの種類、仕上げの種類によって、いろんな表情に変わるのが革の魅力です。
また革の材質や仕上がり方によって特性もガラッと変わりますので、革の特性を知ることで革製品の選び方も上手になるかもしれませんね。
革製品が完成するまでには、非常に手間暇がかかっています。
なので良いものを手に入れたいと思うと、やはり金額は高くなってしまうでしょう。
ですがそれだけの手間暇がかかっていたり、希少なレザーを使っていたり、手間のかかる仕上げを施していたりと、高価なものには理由があるのです。
この記事を見て、気になるレザーや仕上げ方法を見つけて、こんな商品が欲しいな~と想像した方もいるかもしれませんね。
それを叶える方法があります。
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